多様性にあふれ、縛らない組織は、能動的な改善が加速する。

大学時代の親友同士の「志」から始まったメディエイト。現在、順調に業績を伸ばしている同社ですが、スタート時は苦難の日々を送ったこともあったそうです。今回は、共同経営者の米澤副社長に当時のことを赤裸々に語っていただくとともに、これからの未来に向けての想いなどを伺いました。

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目次

「地獄」の経験が、経営者としての成長の糧に。

小西代表との出会いと、起業のきっかけを教えてください。

同じ大学の農学部で初日から仲良くなり、ずっと一緒に遊んでいました。当時熱く語り合っていたのが「起業して成功したい」という志でしたね。卒業後は、外資の製薬会社に就職し3年間MRとして勤務しました。そこでは、あるクリニックグループに導入されていた競合他社の製薬を全部自社のものに入れ替えて表彰されるなど、営業力を磨くことができました。そんな時に小西から「独立しないか?」と誘われ、一切の躊躇なく起業する道を選択。即断できた理由は、MR時代に培った仕事に対する自信でしたね。最初は、高齢者施設紹介業からスタートしたのですが、正直「余裕で拡大できる」と軽く考えていたのが本当のところです。しかし、起業後にその短絡的思考はすぐに消え「地獄」を見る展開に直面します。

どのような試練を体験されたのでしょうか?

自分の営業力だと過信していたものが、蓋を開けてみると「会社の看板で仕事をしていた」という現実に気付かされたのです。お客様は自分ではなく、「信頼できる医薬品」を求めていたことを思い知らされ、起業したての会社や自分に信用がないことを痛感しました。最初の1年目の給料は0。ひたすら貯金を食いつぶす日々で、1~2年目は実家に転がりこんで親のスネをかじるような生活をしていました。小西は結婚もしていたので、大変だったと思います。

ただ、そうした生活を送る中で経営者の本を読んで勉強したり、経営者に会いにいって薫陶を受けたりする中で、徐々にサラリーマンから経営者へとマインドが切り替わっていきました。また、小西の不動産時代の先輩がオフィスシェアをしてくれるなど、たくさんの方に助けられる中で、経営者としての心構えを持つことができました。

経営者としての成長とともに、事業も順調に回り始めたのでしょうか?

人との出会いの中で「福祉用具レンタル」などビジネス領域を広げながら、徐々に業績も伸びていきました。ちなみに、私自身は介護業界についてまったく知らない状態からのスタートです。福祉の世界に飛び込んだ理由は、「高齢者が増える日本社会においてニーズが高まる業界」「社会に貢献できる」と思ったからですね。

経営者として心がけていることは「縛らないこと」です。ガチガチのルールを決めるのではなく、その都度改善する方式を採用しています。何かあればじっくりと話を聞き、課題を解決する方法を一緒に考えて実行します。「こんなことをしたい!」という提案があれば、間違いがないようなら基本的に早期に取り入れる仕組みづくりをしていますね。会社員時代はずっとプレイヤーで、管理職の経験は無かったのでメディエイトの副社長になってからマネジメントを実地で学んでいます。

情熱型と論理型の経営者が二人三脚で進む、両輪経営。

小西代表と共同経営をされていますが、学生時代から関係性は変わりませんか?

起業して10年ほど経ちますが、関係はずっと良好ですね。理由は物事に対する考え方が「最終的には同じ」であることが挙げられますね。プロセスは違うのですが、着地点は同じです。あとは、それぞれの強みも違います。魚釣りで例えるなら小西は「当たれば大きい大物狙い」で、私は「コツコツとサビキで小魚を着実に釣り上げる」というスタンスで、それぞれの強みを活かしてビジネスを拡大するイメージですね。

また、小西が情熱型で私が論理型なのですがお互いに尊重しあっています。たとえば小西が「ラ・メゾン」のような新たなビジネスを展開しようとしたとき、私が課題や事業リスク、かかる費用などを洗い出しました。その上で小西が「やる!」と決めたことに対して、具体的な方策を練り上げて実行に移すのが私の役割です。具体的には必要な細かい手続き関係や人事評価制度の構築などは私が担い、大きな方向性は小西が決定します。

「ラ・メゾン」を俯瞰的、経営的に見てどのように感じておられるのでしょうか?

本当にやって良かったと思っています。まず、同年代の優秀なサービス提供責任者である高橋さんが入社してくれたことは本当に幸運でした。現場のことを誰よりも把握し、問題解決能力も高いので、安心して任せることができます。採用や面接も私が直接関わることはなく高橋さんに委ねていますが、経営方針として「多様な人材を採用して欲しい」という要望はお伝えしていますね。能力の差などで判断するのではなく、未来を見据えて様々なタイプの方が活躍できるように育成する、ボトムアップ型の組織を目指しています。

現在、米澤副社長は「ラ・メゾン」とどのように関わっているのでしょうか?

主に「ラ・メゾン」などの施設に対して、医師や看護師が往診を行う「クリニック事業」の責任者として関わっています。同じグループなので合同で忘年会をしたり、飲み会に呼んでもらったり、また先述したようにテクニカルな面を支えたりしているので関係性は深いですよ。

既存の常識に縛られない合理的思考が、斬新な発想の源泉に。

今後、メディエイトをどんな会社にしていきたいですか?

大きな会社にするというよりは、自分たちが手の届く範囲で地域に喜ばれる施設やサービスを展開していきたいですね施設のハード面のみならず「スタッフがいかに働きやすいか」を大切にしていきたいと考えています。介護施設にとって、スタッフはビジネスの要です。給与体系もベーシックの部分をなるべく高くしつつ、頑張っているスタッフはさらに高い報酬を得られる仕組みにしています。人材に対して、時間やお金といったリソースをこれからもつぎ込んでいく方針ですね。

「正社員の夜勤専従スタッフ」など、斬新な発想はどこから生まれるのでしょうか?

私たちが良い意味で、介護業界の常識に染まっていないからではないでしょうか。「これが介護だ」という価値観にとらわれることなく、柔軟に対応できるのが強みだと思います。現場の声を聞き、今の価値観に対応していける組織にした方が、合理的じゃないですか(笑)たとえば「夜勤専従スタッフ」も現場から出てきた案です。否定ではなく「まずはやってみる」の精神で動いていますね。良いスタッフに恵まれているので信用して現場を任せることができています。その現場からまた新しい案がでてくるというグッドスパイラルが、新しい発想につながっているのかも知れません。

最後に、「新しく仲間になって欲しい方」について教えてください。

責任感があり、人を大切に思いやることができる方に来て欲しいと思います。当社は「長所を活かして伸ばす」という風土が根付いています。たとえば「レクリエーションが好き」であれば、その能力を磨いて現場の活性化に活かして欲しいですね。多様な人材に来ていただくことで新しい視点が生まれ、組織はさらに成長します。私自身も新しい気づきが得られるとうれしいです。そして、経営者として「メディエイトに入社して良かった」と思ってもらえる会社にすることですね。ぜひ、一緒に頑張りましょう。