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自然と歩んでいた、看護師への道。病院経験を経て介護分野へ。
──看護師を目指そうと思われた理由と、『ラ・メゾン高槻』に転職されたきっかけや決め手を教えてください。
叔母が看護師なこともあり「気を張り、緊張感のある仕事」という一方で、「人に喜んでもらえる」やりがいがあって楽しい仕事だとを子どもの頃から聞いていました。叔母の仕事の話に魅入られ、自然と自分もその道を選んでいました。当社と出会ったのは、夫の転勤に伴って私も大阪に引っ越すことになり、ハローワークに通って転職先を調べていたところ、業務内容や通勤のしやすさといった条件面でピックアップしてくれたことがきっかけです。前職の整形外科では、高齢者の方と触れ合う機会が多く、コミュニケーションをとるのが楽しかったので「介護業界に飛び込んでみよう」という思いがあったので『ラ・メゾン高槻』を選びました。
──1日の流れと、詳しい業務内容をお聞かせください。
大きく分けて、利用者さんのお部屋に定期的に伺う「訪問看護」と、それ以外に都度の看護を担う施設職員としての「インフォーマル」という業務があります。
<訪問介護の1日の流れ>
9:00 出勤
更衣室で制服に着替え、2階にある看護室へむかいます。夜間帯の情報収集や他の看護師たちとコミュニケーションをとります。
9:30 訪問看護開始
利用者さん1人あたり大体30分の訪問時間が割り振られています。訪問し、バイタル測定などを行います。必要に応じて肌が弱い方の場合は薬の塗布や保湿、爪やヒゲが伸びている方は、切ったり剃ったりするお手伝いをします。加えて、口腔ケアや身だしなみを整えるサポート、自分で動けない状態の利用者さんの場合はおむつ交換、胃ろうの方は状態の把握や注入のための接続をします。大体、午前中に2~4件ほどを訪問します。
訪問がない時間帯はインフォーマルの業務をおこないます。
12:00 休憩時間
1階フロアや2階の看護室で昼食を食べたり、スマホを見て過ごします。
13:00 午後の業務開始
午前中と同じく、利用者さんのお部屋を訪問します。訪問は1日平均して8~10件ほどまわります。
16:30 看護室に戻る
看護室にもどり、ほかスタッフへ共有する事項などの記録業務を行います。その後、ちょうど夕食が始まる時間帯なので、各階にて必要な方の食事介助をします。
17:30 事務作業
食事介助が落ち着いたら、再度看護室へもどります。パソコンやタブレットで、今日の記録やほかの看護師に共有する必要事項を打ち込みます。後は、物品の補充や吸引器のビンの洗浄などを行います。
18:00 退勤
訪問看護の業務は午前と午後で変わりません。訪問の内容は利用者さんにとってさまざまです。中には健康管理として体力維持のためのお散歩にも行くこともあります。楽しくコミュニケーションをとりながら普段の生活の様子などを伺うようにしているので、30分はあっという間です。利用者さんも、積極的に話しかけてくれます。
些細な変化を見逃さない。チームの気づきで未然に対応。
──訪問看護ではない日はどのように過ごされていますか。
9時に出勤してお昼前くらいまで次の日のデイサービスに行かれる方のお薬の準備や点滴の更新を進める日もあります。また、薬剤の確認をダブルチェック体制で対応。11時30分頃から昼食の食事介助などを担当します。午後からは褥瘡(じょくそう・床ずれ)や吸引、血糖測定や骨粗しょう症の方への皮下注射といった処置を行います。ほかにも、転倒などの際に呼び出しがあったら、すぐに駆けつけて必要なケアを施すなど、イレギュラー対応も重要な仕事です。その日に実施する処置の項目は紙の表に書かれているので、それを見ながら終わったものには斜線を引き、一つひとつ丁寧に確認。ほかの看護師と紙の表で共有することで、スムーズな対応ができるよう取り組んでいます。
──仕事を進めるなかで、大変さを感じたエピソードはありますか。
いつ何が起こるかわからない仕事なので、何かに取り掛かっているときに急遽呼び出しがかかることが出てきます。どちらも疎かにできないので、双方を的確に遂行する上で大変さを感じることもありますね。症状が落ち着いている状態でも突然体調が変化したり、嘔吐や転倒されたりといった、予測できないようなことが起こるケースも多いです。例えば「急に血圧が下がった」という事態に対し、すぐに医師に報告後、その結果を現場に伝えてみんなで対策を講じることもあります。例えば、認知症の方だと「本人がわからないうちに、車椅子からズレ落ちている」という事例もあるので、全員で気を配っています。
──みんなが気を配っていたことで、事前に防げた出来事などはございましたか?
普段からこまめにノートにメモをとる利用者さんがおられるのですが、なんとなく「いつもと文字の筆跡が違う」という変化や、しゃべり方にも微妙な違和感がありました。それは脳梗塞の前兆だったのですが、みんなが事前に気づいたことで大事に至らず済みました。日頃からの気配りや「何か違う」と感じたことを報告をし合うことの重要性を、改めて実感した出来事です。
──やりがいや楽しさを感じるのは、どんなときでしょう。
やはり「ありがとう」と感謝の声をいただくと、嬉しい気持ちになります。「山田さんにもっと話を聞いてほしいわ」と頼ってもらえるのも、この仕事の楽しいところです。例えば訪問看護でコミュニケーションをとりながら、爪切りのお手伝いをしているとき「自分ではできなかったから、山田さんにやってもらって本当に助かったよ」と満足そうな声をかけてもらったりすると、こちらも幸せな気分になります。たくさんの「ありがとう」が、仕事のモチベーションに繋がっていますね。
年齢を重ねると、どうしても一人ではできないことが増えていきます。普段からきめ細やかに気を配りつつ、声掛けをしながら常に改善し、よりよい施設での生活をサポートするのがこの仕事のやりがいのひとつです。例えば「爪が長くなり過ぎる」と、皮膚を切ってしまう恐れがあり、特に皮膚が弱っている方にとってはトラブルの原因にもなってしまうので、お怪我がないように注意深く観察しています。
ゆったりと交流できて、医療の技術力も維持できる環境です。
──病院時代と、今の職場の違いを教えてください。
病院の仕事も、たくさんのやりがいや楽しさがありました。ただ、業務量が多く忙しくしていた記憶があります。こちらの職場は、一人ひとりの利用者さんに寄り添い、向き合う仕事なので、私には合っていると感じています。先日は元旦に、普段はお話をするのが難しいパーキンソン病の利用者さんに「明けましたね」と言ったところ、「おめでとう」という返事をいただきました。いつも「山田です」と積極的にお声掛けしているのですが、そのアピールが届いているんだと実感しました。ご家族にその話をしたところ、喜んでくださいましたね。また、利用者さんから「来てくれて安心できるわ」と言ってもらえる関係性を築けていることにも喜びを覚えます。さらに、福利厚生の面でも、お休みの日の希望が通りやすく、融通が効く点も転職して良かったと思うポイントです。
──看護チームで働いている中で、印象に残っているエピソードや特徴はありますか?
1日3人体制で協力して業務を進めていて、利用者さんの体に出ているむくみなどの症状や、気になる点や不安なことは、全て共有しあっています。例えばちょっとした怪我を見つけた場合、「どこにぶつけたのだろうか?」をみんなで探り出し、原因を取り除いています。ほかにも「ちょっと血圧が高い状態が続いているので、通常よりもこまめに計測して様子を見る」ということも、相談しながら進めています。『ラ・メゾン高槻 』には幅広い世代の20名ほどの看護師が在籍し、先輩は気さくで話しやすく、若い方もしっかりしている方ばかりです。みんなが協力的なので、非常に仕事をしやすい環境だと感じます。また、みなさんがいろいろな分野で活躍して、この職場に移ってきたというバックボーンがあるので、相談すると的確な答えが返ってくるところも特徴だと思います。
──どのような看護師の方がメディエイトにあっていると感じますか?
「高齢者と、コミュニケーションをとるのが好き」という方にオススメです。加えて医療行為も多く、培ってきたスキルを活かせるので「技術を維持したい」という方にも向いていると思います。「リスク委員会」「レクリエーション委員会」などの活動も盛んで、情報共有や施設内のコミュニケーションも活発に行われている環境ですので、チームワークを大事に仕事をしたい方には合っていると感じます。